東北の環境パートナーシップを応援します。

活動のご報告

活動のご報告

防災会議(15)東日本大震災と持続可能な防災教育シンポジウム/2015.3.15

2015.03.24 14:29

 2015年3月14日から18日にかけて宮城県仙台市で第3回国連防災世界会議が開催されています。東日本大震災の被災地である仙台市で開催することは、被災地の復興を世界に発信するとともに、防災に関する日本の経験と知見を国際社会と共有することが期待されています。
 第3回国連防災世界会議についてはこちらをご覧ください。
 
 本会議開催に合わせて、仙台市内の多くの会場で一般向けのパブリックフォーラムが開催されます。数多くあるイベントにEPO東北スタッフも参加してきましたので、その模様をご報告いたします。
 
催事名:東日本大震災と持続可能な防災教育シンポジウム
主催:仙台広域圏ESD・RCE運営委員会
日時:2015年3月15日(日)13:30~15:00
会場:仙台市シルバーセンター 第二研修室
 
内容:
(1)オープン報告「東日本大震災の復旧・復興」
  話題提供:
  榎戸博子氏(NPO法人水守の郷・七ヶ宿)
  亀崎英冶氏(仙台市立七郷小学校教諭)
(2)開会行事
(3)基調報告「持続可能な防災教育の方向性~自助・共助・公助・N助の関連性~」
  及川幸彦氏(前気仙沼市教育委員会副参事)
(4)シンポジウム「神戸・アチェ・気仙沼の教訓と防災教育」
  コーディネーター:
  小金澤孝昭氏(宮城教育大学教育復興支援センター)
  パネリスト:
  中川裕子氏(NPO法人SEEDS ASIA事務局長)
  Dr. Qismullah Yusuf(Sultan Idris Education Univ.) 
  及川幸彦氏(日本ユネスコ国内委員会、前気仙沼市教育委員会)
 
 阪神・淡路大震災やスマトラ島沖地震、東日本大震災の教訓を活かした防災教育の進め方についてのお話を聞きました。防災教育を教育カリキュラムの中に根付かせるためにはある程度のフォーマットを整えていくことが必要であるという話のほか、インドネシアの民間伝承の事例が紹介されていました。なんでもシメウルエやその周辺の41の島の人々に伝わる歌に津波が発生した場合の対処方法が含まれており、2004年のスマトラ島沖地震の津波被害を止めることにつながったそうです。歌は災害から身を守る教えだけでなく、しつけに通じる教えも含まれているため、学校、家庭、そしてイスラムの説教の中で教えられています。
 教育は学校現場だけで行われるものではないのだと思いました。また、防災教育と聞くと避難訓練を連想しがちですが、それだけではなく、地域の実情を知ることが防災につながるのだと思いました。災害の起きた社会は、極限の「持続不可能」な社会と言えます。EPO東北では、先人たちの知恵である「伝承」は、環境問題を考えていく上でも重要なキーワードであると捉えているのですが、どうやら防災教育のヒントにもなりそうだと感じました。
 
(Report/Oyamada)