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【ecojin】[ecojin's EYE]ネイチャーポジティブ

2024.02.16 09:05

今月のキーワード
ネイチャーポジティブ
 
ポイント!
今の地球は、凄まじい速度で生き物が絶滅しているなど「ネガティブ」の状態にあります。これを2030年までに生物の種の数が回復していくなど「ポジティブ」な状態にしていくために、生態系が豊かになるような経済活動へ切り替えていく取り組みが推し進められています。
 
ネイチャーポジティブとは日本語訳で「自然再興」といい、「自然を回復軌道に乗せるため、生物多様性の損失を止め、反転させる」ことを指します。
 
今の地球は過去1,000 万年間の平均と比べて10倍~100倍もの速度で生物が絶滅していくなど、いわゆるマイナスの状態にあります。この状況から、これまでの自然環境保全の取り組みだけでなく、経済から社会、政治、技術までの全てにまたがって改善を促していくことで、自然が豊かになっていくプラスの状態にしていこうというのがネイチャーポジティブの趣旨です。
 
2022年12月に開催された生物多様性条約第15回締約国会議(COP15)や、G7 2030年自然協約などにおいてもその考え方が掲げられるなど、国際的な認知度も高まっているキーワードです。
 
国内では、2023年3月に閣議決定した生物多様性国家戦略2023-2030において2030年までにネイチャーポジティブを達成するという目標が掲げられています。
 
2030年は温室効果ガスの削減目標やSDGs、パリ協定(※)など、さまざまなカテゴリーにおける目標年となっています。陸と海のそれぞれで30%以上の面積で健全な生態系を保全する30by30目標を含め、2030年ネイチャーポジティブを達成するために、個人・団体を問わず全員が連携して取り組んでいかなければなりません。

(※)2015年12月12日にフランスのパリで採択された、気候変動に関する協定のこと。産業革命前と比べたときの世界の平均気温を「+2度未満」に抑えながら、「+1.5度未満」を目指すという目標を立てています。
世界経済フォーラム(WEF)が2020年に発表した報告書によると、世界のGDPの半分(44兆ドル)以上が自然の損失によって脅かされる可能性があり、ネイチャーポジティブ経済に移行することで3億9500万人の雇用創出と年間10.1兆ドルの取引が見込めると指摘しています。
 
ネイチャーポジティブは「みんなで我慢する」のではなく、「生き物を含めたみんなで豊かになる」ための目標なのです。
 
ネイチャーポジティブの実現には、企業、地方公共団体、NGO等をはじめとするさまざまなステークホルダーに協力してもらう必要があります。そのため、環境省が事務局を務める2030生物多様性枠組実現日本会議(J-GBF)は、ネイチャーポジティブの実現に向けた第一歩として、「ネイチャーポジティブ宣言」を表明してもらうよう呼びかけています。
 
生物多様性国家戦略の5つの基本戦略の少なくとも1つに該当する方針を含める形で、“ネイチャーポジティブの実現を目指す“意図を込め、自由なネーミングで宣言してもらうこととしています。
 
ネイチャーポジティブ宣言ポータルサイトに登録すると、表明された宣言は、ネイチャーポジティブ宣言のポータルサイトに掲載されます。
 
現状、ネイチャーポジティブ宣言の登録状況は十分とは言えません。
ネイチャーポジティブ実現の第一歩を踏み出すためには、さまざまなステークホルダーが積極的に宣言を表明していくことが求められています。
そして、ネイチャーポジティブへの取り組みが広がるためには、企業や団体の取組方針について生活者の皆さんに知ってもらうことも必要不可欠です。ネイチャーポジティブ宣言を行っている企業の取り組みや、ネイチャーポジティブに関する地方公共団体が行うイベントなども是非調べてみてください。
 
また、国民一人ひとりがネイチャーポジティブにとってプラスとなる消費・選択をして、経済社会づくりを推進していけるように、「だいだらポジー」というイメージキャラクターが誕生しました。
山や川などの自然を生み出したという逸話を持つ「だいだらぼっち」という巨人がモチーフになっており、自然を生み出していく本取組の象徴として広く活動していきます。
だいだらポジーのイラストは、ネイチャーポジティブを目指す全ての企業、団体、個人等が取り組みに関する告知物などに無償で使用することができます。
 
だいだらポジーが皆さんに愛着を持ってもらえるキャラクターとなり、だいだらポジーを通じて、ネイチャーポジティブにご関心を寄せていただけるきっかけとなってくれることを期待しています。
 
 
→詳細はこちらからご覧ください(外部リンク)