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【ecojin】[自然共生サイト]サンデンフォレスト

2023.11.07 09:05

日本百名山の一つ、群馬県・赤城山の南麓に位置するサンデンフォレストは、カーエアコンなどを製造するサンデン株式会社が、「環境と産業の矛盾なき共存」をコンセプトにつくった事業所です。
企業が環境保全に取り組むことが当たり前とはいえなかった1997年に、サンデン株式会社が環境共存型の工場を目指し、総面積64ヘクタールもの広大な土地に建設を開始しました。
そして、2002年に開設されたのが、敷地の半分を工場、半分を社有林とした『森の中の工場』のサンデンフォレストです。
 
サンデンフォレストの特徴について、サンデン株式会社 施設管理セクションECOS(イーコス)チームの福田博一さんに伺いました。

「事業部名のECOSとは、Environmental Coordination Operation Staff(環境連携業務スタッフ)の略で、弊社の前会長の知り合いだった作家で環境保護活動家のC・W・ニコルさんが名付け親です。
森と工場を共存させるという活動の出発点にはC・W・ニコルさんの助言があり、造成には『近自然工法』を採用しました。
これは、『生態系が復元するように整備する工法』で、例えば、コンクリートで壁面を塗るのではなく、石積みにして、石の隙間に生き物がすめるようにし、草が生えやすくなる環境をつくります。
また、新しく工場を造る場合に雨水を一時的に溜めておく調整池の設置が義務づけられていますが、サンデンフォレストでは調整池に水深の浅い所と深い所を設けたり、水鳥や亀が休息できる石の島を置くなどをしています。
このようにいろんな生き物が生息できる空間(ビオトープ)を各所で施しており、この工法は当時、民間では初めての試みでした」

現在の状況と活動について、福田さんはこう語ります。

「事業所開設から20年がたち、建設時に植樹した約3万本の木も成長し、雑木林になっています。
生態系の管理、絶滅危惧種の保護、外来種駆除をしながら、今では800種近い里山特有の在来種の生育・生息が確認される素晴らしい赤城山の自然を再生してきたと思います。
また、森林を11種のゾーンに分け、『数十年後にこういう森になるといいね』とゾーンごとに目標設定をしています。
私たちが最終的に目指すのは、『フクロウのすむ森』です。
里山の生態ピラミッドの頂点に位置するフクロウがいることは、さまざまな動植物が豊かである証拠と考えています。
そのために、森のゾーンの一つは木を太くしてフクロウがすみやすい森を目指しています。
そのような取り組みによって、フクロウの目撃例があったり、ペレット(嘔吐物)が落ちていたりしたほか、鳴き声が聞こえるなど、繁殖までしているのかは分かりませんが、森に来ていることは確かです」
サンデンフォレストの活動は多岐にわたります。
 
同じくサンデン株式会社 施設管理セクションECOSチームの柴崎薫さんに伺いました。

「保全活動のなかでも特定外来種の駆除に力を入れており、それと同時に『人と自然を近づける』ことを意識して活動しています。なにが問題なのかを多くの人に知ってもらう普及啓発活動と駆除活動をセットにしています。

2015年からは子どもや一般の人たちにも外来種問題を知ってもらうイベントとして、特定外来生物に指定されているアメリカザリガニの駆除作業を実施しています。
また、全国で問題になっている竹林について考えてもらい、成長の早い竹が放置されると竹よりも背の低い植物は陽光を遮られ、枯れてしまうなどの現状を知った後に、参加者で竹林の整備をして、5月にタケノコ掘りイベントを開催します。

イベントを単発ではなく、3~4回のシリーズ企画にして『連続性と継続性』を持たせ、本人の体験により自ら考えてもらう、気付きの機会を提供しています」
 
 
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