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【経済産業省:資源エネルギー庁】知っておきたいエネルギーの基礎用語〜大気中からCO2を除去する「CDR(二酸化炭素除去)」

2023.10.19 09:05

カーボンニュートラルを達成する上で重要な役割を果たすのが「CDR」です。CDRとはCarbon Dioxide Removalの略で、二酸化炭素除去、つまり大気中のCO2を除去することを指します。
2050年までにCO2排出を実質ゼロにするためには、企業や家庭が排出するCO2の量を減らすだけでは難しく、大気中に存在しているCO2を除去することが不可欠なことから、日本や欧米を中心に注目が高まっています。
 
なぜCDRが重要なのか、またCDRを実現するために期待されている技術にはどのようなものがあるのかを解説します。
 
カーボンニュートラル達成のため必要不可欠なCDR(二酸化炭素除去)
日本は2050年までに「カーボンニュートラル」達成を目指しています。「カーボンニュートラル」とは、CO2を含む温室効果ガスの排出を全体としてゼロにすることを目指す目標で、全体(=ネット)として排出ゼロを目指すことから、「ネットゼロ」という言葉も同じ意味合いで使われています。

ネットゼロを目指すためには、CO2をできるだけ排出しないよう、排出削減を進めることが重要ですが、どうしても排出が避けられない分野もあります。
そこで、やむを得ず排出したぶんについては、大気中に存在するCO2を同じ量取り除くことで、差し引きゼロを目指すという方法が考えられています。そこで重要になるのが「CDR」の技術です。
 
下図を見ながら、もう少し詳しく説明しましょう。

日本の2019年のCO2排出量は、電力をつくる時などに排出される「電力由来」と、運輸など電力以外からの排出「非電力由来」を合わせて10.3億トンでした。
この先、電力由来CO2については、火力発電の比率を引き下げたり、再生可能エネルギーや原子力といったCO2を排出しないエネルギー源を活用したりすることで、削減が進められる予定です。
また非電力由来CO2については、低炭素・脱炭素なエネルギー源に切り替えることなどにより、2050年までにはかなりの量のCO2排出が削減できると見込まれています。
 
ただ、たとえば電気自動車(EV)のように自動車の電化は進んでいるものの、大型トラックや航空機、船舶など大型輸送機の電化は、技術開発にまだ時間がかかると見られています。
また、セメントのような製造過程でCO2が排出されるモノについては、排出量を減らす新技術の研究が進められているものの、CO2削減に限界がある分野もあります。上の図でいうと、電力・非電力とも右下のグレーの箇所がCO2排出の避けられない部分を示しており、これを「残余排出」と呼んでいます。
カーボンニュートラル達成のためには、この残余排出と同量のCO2を大気中から吸収・回収(CDR)し、差し引きゼロにする必要があるのです。
 
 
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