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【環境省:ecojin】自然共生サイト:八王子市長池公園

2023.10.05 09:05

東京都心から西へ約40キロの所に、『里山文化の継承と創造』をテーマに掲げている公園があります。八王子市の東南部に位置する八王子市長池公園は、江戸時代から農業用ため池として使われていた長池(ながいけ)などの自然を守るために2000年に開園し、今年から自然共生サイトに認定されました。
 
約20ヘクタールもの広大な敷地には、野鳥観察のできる築池(つくいけ)や里山の生き物がすむ雑木林、市民の憩いの場の芝生広場、体験学習施設の自然館など、見どころがいっぱいあります。また、春にはカタクリやマメザクラ、夏はヤマユリや希少種のサワギキョウ、秋はリンドウやオオニガナ、冬はハンノキなど四季折々の花を楽しむことができます。
 
公園の特徴や取り組みについて、八王子市長池公園を管理・運営しているNPOフュージョン長池の小林健人さんにお話を伺いました。
 
「私たちは市内81箇所の公園緑地の管理と運営を任されており、八王子市長池公園はその中でも特に大きな公園です。800種以上もの野生植物が生息し、公園の名前にもなっている長池には、都内では希少な湿地を好むハンノキ群落があり、環境省の特定植物群落に指定されています」
 
「公園内は、特別保全ゾーン観察ゾーン体験ゾーンなどのエリアに分かれており、特別保全ゾーン、観察ゾーンにおいては、NPOフュージョン長池が中心となって園内に自生する96種類の絶滅危惧植物や哺乳類、両生類の観察・記録を定期的に行います。そして、個体数の少ない植物の増殖対策や外来種の除去などの保全活動を積極的に行い、里山のバランスを維持する取り組みをしているのです。

体験ゾーンでは、地域住民主体の『長池里山クラブ』が稲作や畑作、雑木林の手入れ、炭焼きなどを年間通し継続的に行い、地域の里山文化・自然を後世に受け継いでいくことを目的として活動しています」
 
活動のなかでも特に注目するポイントはどんなところでしょうか。
「八王子市長池公園は、小さいお子さんからご高齢の方まで、いろいろな人がさまざまな形で、生物多様性の保全に『自分ごと』として関われる場所です。例えば、地域に住む小学生とそのご家族を対象にした登録制ボランティア『パークキッズレンジャー』では、子どもたちが自然を守る担い手として、生き物調査や池の清掃を体験しながら多くのことを学びます。日常では味わえない新しい発見の連続で、子どもたちは目を輝かせていますし、何よりも大人が一緒に活動することで、幅広い年齢層の方に公園の自然を知ってもらう機会を作れるのが大きいと思います」
 
多様な学びの場として子どもたちも、ここに来れば笑顔になる。定年退職された方の新たなコミュニティーづくりの場にもなる。街になじみ、地域の人々の暮らしと密接に関わっている八王子市長池公園がこれから目指すものとはなんでしょうか。
 
「管理者の私たちは、公園に来た人とのコミュニケーションを通じ、誰もが活躍し、輝ける場所を目指しています。そして、ここで学んだ子どもたちが、成長後もいつでも帰って来られる故郷のような存在でありたいと思います。
また、八王子市長池公園の取り組みが、他の自然保護活動をされている方の参考になるとうれしいですし、企業用地や都市公園だけでなく民有地を含めた自然共生サイトが増えていくことを期待しています」
 
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