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【経済産業省:資源エネルギー庁】リサイクルで活用する原子力発電の“ゴミ”~「クリアランス制度」の今

2023.08.01 09:05

原子力発電所からは、運転や廃炉にともなう解体などの過程で、さまざまな“ゴミ”、つまり廃棄物が出ます。
そのうち、「人の健康に対する影響を無視できるレベル」と見なされたものの中には、一般の産業廃棄物と同じように扱われ、
リサイクルされ役立てられているものもあります。
 
今回はこの「クリアランス制度」のもと進められている廃棄物の再利用について、最新の活用事例や実証実験のようすなどをご紹介します。
 
 
廃炉を安全でスムーズに進め資源を活用するための「クリアランス制度」
原子力発電(原発)の廃炉などをおこなうにあたって出る廃棄物については、放射能レベルに応じて、適切に処分するよう法律でさだめられています。その中で「人の健康に対する影響を無視できるレベル」と見なされたもののうち、国(原子力規制委員会)の確認を受けたものは「クリアランス物」と呼ばれ、一般の産業廃棄物と同じ扱いができるのです。
 
「クリアランス物」とされるレベル(クリアランスレベル)は年間0.01ミリシーベルトで、これは自然界の放射線から受ける放射線量(日本平均で年間約2.1ミリシーベルト)の100分の1以下に相当します。
1基の原子炉を廃炉すると、周辺設備や建屋から約54万トンの廃棄物が発生すると推定されます。「クリアランス制度」は、廃炉が増える中で、廃棄物の処理・処分をスムーズにかつ安全に進めるため、また資源を有効活用するために設置された制度なのです。
 
現在は、クリアランス制度が社会に定着するまでのあいだ、電気事業者などが自主的に再利用先を限定することで、クリアランス物が市場に流通することがないよう運用されています。
 
 
有効活用が進められているクリアランス物
サイト内リンクを開く「廃炉からのゴミをリサイクルできるしくみ『クリアランス制度』」でクリアランス物の再利用の実例をいくつかご紹介しました。その後も、さまざまなところで、クリアランス物の再利用が進められています。
 
たとえば中部電力は、静岡県御前崎市の木村鋳造所に委託し、クリアランス金属を再利用して側溝用のグレーチングを製造しました。完成したグレーチングは、中部電力浜岡原子力発電所の敷地内にある道路などの側溝に利用されています。
 
また、2021年度から、国の委託事業として、クリアランス物の再利用に関する実証実験をおこなっています。
この実証では、福井県にあり廃炉作業がおこなわれている原子力発電所「新型転換炉ふげん」などから生じたクリアランス金属が使われています。
 
このクリアランス金属を、福井県にある加工事業者などが溶融・加工して、再利用製品を製造しました。
この実証では、クリアランス物を加工する前後における放射能の影響を測定。その結果、製品や、製造に使用した設備や工場の周辺に放射能の影響がないことが確認できています。
 
福井県のサイクリングルート沿いにある一部の公共施設には、この事業で製造したサイクルラック(自転車を停めるためのラック)が設置されています。
 
 
→詳細はこちらからご覧ください(外部リンク)